こうありたい…スイングの楽しみ…
何年か前に一度行ったきり、度々声をかけてもらっていたが、なかなか行けないでいたのを、クラリネット(アルトサックス)の鈴木孝二さんのライブに先日やっと行ってきた。
西武新宿線の沼袋の「Organ Jazz倶楽部」。こんなところにこんなライブハウスが!と自店のHPにも書いてあったがまさにそんな思いがする、ハモンドオルガンとグランドピアノが眼をひく小粋なライブハウスである。
この近くにお住まいの孝二さん(普段こう呼ばせてもらっているので)のホームグラウンドとでもいうのだろう、お客さんも含めて嵌っていていい感じのライブだった。

オープニングは「You And The Night And The Music」。
ほう!と言う感嘆とともに、なるほど!という思いがしてこのライブが楽しみになってきた。
というのは私は15年ほど前、孝二さんが「原 信夫とシャープス & フラッツ」時代に「鈴木正男& SWING TIMES」で親しくさせていただき、その後シャープを辞められて『鈴木孝二カルテット+1 Wonder Jazzland=デューク・エリントン生誕100周年記念コンサート』(1999年 銀座ヤマハホール)を行った時にプロデュースさせていただいた。
翌年にもう一度、銀座ヤマハホールでの『Wonder Jazzlandコンサート』のお手伝いをさせていただいたのだが、その2回のお手伝いで私は、孝二さんは幅の広いプレイヤーだな、と思った。
シャープやSWING TIMESのビッグバンドでは、スイング系の側面しか見ていなかったせいか、私は勝手にトラッドなスイング系のプレイヤーだと思っていたらしい。
シャープを辞めた後、「戸山喜雄とデキシーセインツ」に加わり、デキシーランド・ジャズのクラリネットを始めたことも、そう思わせた要因かもしれない。
(余談だがあの1999年のコンサートの時、亡くなられたシャープの大ベテランのトランペットの福島(照之)さんがいた。懐かしい限りだ。)
いきなり「You And The Night And The Music」を聴いて、ほう!と思ったのはその幅の広いプレイヤーであることを忘れていて驚いたのであり、なるほど!と思ったのはそのことをすぐに想い出して納得したのである。
言ってみればモダン・スイングとでも言うのだろうか‥いや、ただそう単純に言い切ってしまえない、トラッドの滋味のようなものを感ずるのだが‥
今年はアーティ・ショウの生誕100周年ということで「Frenesi」と「Indian Love Call」を、そして2セット目にバディ・デフランコのレパートリーから「Carioca」と「Cairo」を━。
さらにグッドマンの「Memories Of You」、「Airmail Special」と、ある意味ベテランの鷹揚さとでもいうのだろうか、バラエティに富んでいて楽しめた。
そう、先ほどトラッドの滋味のようなもの、と言ったが、毎年ニューオーリンズを訪れディキシーに浸る土の匂いがそこはかと滲んでくるのかも知れない。
その音に、フレーズにどこか懐かしさを覚える。

ニューオーリンズと言えば、この日のヴォーカルのゲストが、ニューオーリンズへ一度も行ったことがないから来年是非一緒に、と訴えていたさがゆきさん。
盛んに孝二さんやメンバーとニューオーリンズ談義をした上で唄った、「Do You Know What It Means To Miss New Orleans?」は良かった。
曲の内容とともに彼女のニューオーリンズに焦がれる気持ちが一つになった、まさに心に沁み入る演奏だった。
私は前述の、孝二さんの2回目の2000年コンサートの時に、ゲスト・ヴォーカルのさがゆきさんに会った。以後、何回か私が組んだライブにも付き合っていただいた。
彼女はジャズも含めて単にシンガーという枠に収まらない音楽家である。
「上を向いて歩こう」「黒い花びら」「黄昏のビギン」などの作曲やジャズ・ピアニストとしてお馴染みの故中村八大とともに活動したり、北村英治、花岡詠二、富樫雅彦などのミュージシャンと活動し、ジャズ界に限らずクラシックやポップス、オペラ、舞踊ジャンルにまでその世界を広げる、まさに音楽家である。
そんな実績やさらなる探究心から歌いだされる歌は、引き込まれる。いつだったか、デューク・エリントンを特集して歌ったのを聴いたが、これも良かった。
こういう小粋なライブハウスで、酸いも甘いも噛み分けたメンバー(後述)と気楽にスタンダードものを歌うさがゆきさんはまたいい。
他に「Manhattan」、「Corcovado」、「I Wish Love」etc.
そう言えば孝二さんは3~4年前に大病をした。その半年も経たないうちに、もうライブをしていた。それも楽しそうに━
この辺のベテランが気ままに好きな曲を楽しげに演奏してくれるのを聴くのは、我々ファンにとっては一番うれしいことだ。
日本に限らず世界のたくさんのミュージシャンと共演され、またさまざまな経験から得られた豊かな音楽性を、我々には知る由もない音楽の世界の楽しさを少しづつ教えてくれるようで実に楽しい。
ラストは、アルトでのエリントンの「Echoes Of Harlem」。エリントンが大好きだそうだ。
当日のメンバーは━
鈴木孝二 (cl、as)
飯沼五洋 (pf)
古里純一 (b)
マイク・レズニコフ (ds)
さがゆき (vo)
西武新宿線の沼袋の「Organ Jazz倶楽部」。こんなところにこんなライブハウスが!と自店のHPにも書いてあったがまさにそんな思いがする、ハモンドオルガンとグランドピアノが眼をひく小粋なライブハウスである。
この近くにお住まいの孝二さん(普段こう呼ばせてもらっているので)のホームグラウンドとでもいうのだろう、お客さんも含めて嵌っていていい感じのライブだった。

オープニングは「You And The Night And The Music」。
ほう!と言う感嘆とともに、なるほど!という思いがしてこのライブが楽しみになってきた。
というのは私は15年ほど前、孝二さんが「原 信夫とシャープス & フラッツ」時代に「鈴木正男& SWING TIMES」で親しくさせていただき、その後シャープを辞められて『鈴木孝二カルテット+1 Wonder Jazzland=デューク・エリントン生誕100周年記念コンサート』(1999年 銀座ヤマハホール)を行った時にプロデュースさせていただいた。
翌年にもう一度、銀座ヤマハホールでの『Wonder Jazzlandコンサート』のお手伝いをさせていただいたのだが、その2回のお手伝いで私は、孝二さんは幅の広いプレイヤーだな、と思った。
シャープやSWING TIMESのビッグバンドでは、スイング系の側面しか見ていなかったせいか、私は勝手にトラッドなスイング系のプレイヤーだと思っていたらしい。
シャープを辞めた後、「戸山喜雄とデキシーセインツ」に加わり、デキシーランド・ジャズのクラリネットを始めたことも、そう思わせた要因かもしれない。
(余談だがあの1999年のコンサートの時、亡くなられたシャープの大ベテランのトランペットの福島(照之)さんがいた。懐かしい限りだ。)
いきなり「You And The Night And The Music」を聴いて、ほう!と思ったのはその幅の広いプレイヤーであることを忘れていて驚いたのであり、なるほど!と思ったのはそのことをすぐに想い出して納得したのである。
言ってみればモダン・スイングとでも言うのだろうか‥いや、ただそう単純に言い切ってしまえない、トラッドの滋味のようなものを感ずるのだが‥
今年はアーティ・ショウの生誕100周年ということで「Frenesi」と「Indian Love Call」を、そして2セット目にバディ・デフランコのレパートリーから「Carioca」と「Cairo」を━。
さらにグッドマンの「Memories Of You」、「Airmail Special」と、ある意味ベテランの鷹揚さとでもいうのだろうか、バラエティに富んでいて楽しめた。
そう、先ほどトラッドの滋味のようなもの、と言ったが、毎年ニューオーリンズを訪れディキシーに浸る土の匂いがそこはかと滲んでくるのかも知れない。
その音に、フレーズにどこか懐かしさを覚える。

ニューオーリンズと言えば、この日のヴォーカルのゲストが、ニューオーリンズへ一度も行ったことがないから来年是非一緒に、と訴えていたさがゆきさん。
盛んに孝二さんやメンバーとニューオーリンズ談義をした上で唄った、「Do You Know What It Means To Miss New Orleans?」は良かった。
曲の内容とともに彼女のニューオーリンズに焦がれる気持ちが一つになった、まさに心に沁み入る演奏だった。
私は前述の、孝二さんの2回目の2000年コンサートの時に、ゲスト・ヴォーカルのさがゆきさんに会った。以後、何回か私が組んだライブにも付き合っていただいた。
彼女はジャズも含めて単にシンガーという枠に収まらない音楽家である。
「上を向いて歩こう」「黒い花びら」「黄昏のビギン」などの作曲やジャズ・ピアニストとしてお馴染みの故中村八大とともに活動したり、北村英治、花岡詠二、富樫雅彦などのミュージシャンと活動し、ジャズ界に限らずクラシックやポップス、オペラ、舞踊ジャンルにまでその世界を広げる、まさに音楽家である。
そんな実績やさらなる探究心から歌いだされる歌は、引き込まれる。いつだったか、デューク・エリントンを特集して歌ったのを聴いたが、これも良かった。
こういう小粋なライブハウスで、酸いも甘いも噛み分けたメンバー(後述)と気楽にスタンダードものを歌うさがゆきさんはまたいい。
他に「Manhattan」、「Corcovado」、「I Wish Love」etc.
そう言えば孝二さんは3~4年前に大病をした。その半年も経たないうちに、もうライブをしていた。それも楽しそうに━
この辺のベテランが気ままに好きな曲を楽しげに演奏してくれるのを聴くのは、我々ファンにとっては一番うれしいことだ。
日本に限らず世界のたくさんのミュージシャンと共演され、またさまざまな経験から得られた豊かな音楽性を、我々には知る由もない音楽の世界の楽しさを少しづつ教えてくれるようで実に楽しい。
ラストは、アルトでのエリントンの「Echoes Of Harlem」。エリントンが大好きだそうだ。
当日のメンバーは━
鈴木孝二 (cl、as)
飯沼五洋 (pf)
古里純一 (b)
マイク・レズニコフ (ds)
さがゆき (vo)
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