秋告げコンサート
一年のうちで、何回か決まったように顔を出すコンサートがある。
それぞれの日程などが分かっていないと、3ヶ月ほど前に情報を集めて、必ず聴きに行っている。
9月10日(土)「エスプラナード赤坂 オータム・コンサート」。
これを聴くと、“ああ、秋だな‥”と毎年思うのである。そう、秋告げコンサートとでも言おうか。
赤坂の商店会(エスプラナード赤坂)が主催し、赤坂に所縁のあるミュージシャンで組んだ赤坂オールスターズが昼・夜と2回公演する。
私はいつも14時スタートの昼の部を聴くのだが‥この昼下がり、心地よいスイングを聴いてホール(赤坂区民センター)を出ると、目の前の東宮御所の木々の濃い緑が、もう夏の勢いは失せたとはいえまだ汗を呼ぶ黄昏直前の日の光に輝いているのを眺めるのはいいもんだ。
もう15回(年)にもなるという。私が聴くようになってからは10年くらいだろうか。
赤坂オールスターズもつい3年ほど前までは、御大秋満義孝(pf)をはじめ、花岡詠二(cla)、松崎龍生(vib)、根市タカオ(b)、八城邦義(dr)と鈴木史子(vo)に、一時期野村佳乃子(vo)も加わっていた。
松崎龍生が体調を崩して抜けてからは、青木 研(bnj)や佐久間 和(gui)などが代わる代わる加わっている。
今年はアコースティック・ギターの佐久間 和だった。
(いいなあ‥)
オープニングの「Shine」(シャイン)が始まった時、思わず顔がほころびそうになった。
この時期の昼下がりのコンサートはこうでなくっちゃ。花岡詠二のクラリネットがいい音をしている。
二曲目が「New Orleans」(ニューオルリンズ)。スターダストでお馴染みのホーギー・カーマイケルのやはり名曲である。
このコンサートの選曲はいつもきっと御大秋満義孝に違いない。まさに酸いも甘いもかみ分けた、人を楽しませる急所を握っている。この時期、この時間でのコンサートということを考慮して、どうということはないように思えるが後の曲並びをみても、なかなかこういくものじゃない。感心する。
ちなみに夜のプログラムと同じ曲は2曲だけである。
こういう呼吸は、プログラムを組む時の参考にさせてもらおうと思う。
フューチャーリングで興味深かったのは、まずは第2部の頭の秋満義孝の「Miami Beach Rumba」(マイアミ・ビーチ・ルンバ)。
こういうのはもはやこの人についていかないと聴かれない。シャンペン・ミュージックだの、軽音楽だの‥ほとほと、いいなあ‥
つづいて佐久間 和のギターをフューチャーした「Somebody Loves Me」。
御大も言っていたが、「こんなの今や聴かれない‥」。
先月久し振りに,、西荻の「ミントンハウス」で聴いた鈴木直樹とのデュオ・ライブでの、ギター1本だけの「Georgia On My Mind」も良かったが、ベテランのバック(秋満義孝、根市タカオ、八城邦義)に支えられた「Somebody Loves Me」は粋でことのほか良かった。
そしてベテランの根市タカオの「 Softly As In A Morning Sunrise」。
渋い音でよく歌う彼のベースでのこのナンバーは今までにも何回か聴いたが、いつ聴いても楽しい。ホントよく歌うベースである。
さらに第1部のラストのドラムスの八城邦義をフューチャーした、カウント・ベーシーの「Cute」。
軽快なブラッシュ・ワークとユーモアのあるドラムスは、いかにも八城邦義で楽しい。
以前にはいろいろと一緒させてもらい、この日会場でも少し話をしてまた何かしようよという話になった。是非やってみたい。
今回のこのコンサートでの目ッけモンはラストの、秋満義孝アレンジによる「Dark Eyes」(黒い瞳)である。
この手の曲は、メモですぐできてしまうからどこで聴いてもあまり代わり映えがしないのだが、ちゃんと手を入れて、しかも天下の秋満義孝がアレンジをしての上である。
エンディングにふさわしい楽しい演奏だった。
16時。会場を出ると、夏の名残の太陽が照り、東宮御所の緑の陰が黒々としていた。
いつも私が企てるライブにも欠かさず来て下さる、プレイヤーにもお客さんにも良く知られる年配の女性と顔を合わせた。(お名前は秘すが)
足がよくないので手をとって、赤坂見附駅まで30分近くかけて歩いた。いや、話をしていただいた、と言ったほうが正しい。
この日のコンサートの一番の収穫は、実はこの女性とのお話だったような気がする。
私が好みで行くライブやコンサートには大抵いらっしゃる。
いつもは挨拶をして二言三言言葉を交わすだけだったのだが、この日初めて30分余とはいえお話をさせていただいた。
面白かった。ジャズファンとして、プロデュースの真似事をさせていただいてる者として、大いに参考になった。これから役立たせてもらおうと思う。
秋告げコンサート、実にいいコンサートだった。
家に帰ってからしばらくして、かの女性から━
「無事、家に着きました。ありがとうございました。」と電話があった。
何だかニコニコしてしまう、秋の始まりだった。
第15回 「エスプラナード赤坂 オータムコンサート」
メンバー
秋満義孝(ピアノ)
根市タカオ(ベース)
花岡詠二(クラリネット、カーブド・ソプラノ・サックス)
八城邦義(ドラムス)
佐久間 和(ギター)
鈴木史子(ヴォーカル)
演奏曲目(昼の部)
第1部
Shine
New Orleans
My Melancholy Baby
Who’s Sorry Now
Poor Butterfly (vo)
S’ Wonderful (vo)
Too Young━Pretend (vo)
Cute
第2部
Miami Beach Rumba
Somebody Loves Me
Softly As In A Morning Sunrise
Take The “A” Train (vo)
Manhattan (vo)
Out Of Nowhere (vo)
Dark Eyes
(encore)
On The Sunny Side Of The Street
※敬称は略させていただいています。
それぞれの日程などが分かっていないと、3ヶ月ほど前に情報を集めて、必ず聴きに行っている。
9月10日(土)「エスプラナード赤坂 オータム・コンサート」。
これを聴くと、“ああ、秋だな‥”と毎年思うのである。そう、秋告げコンサートとでも言おうか。
赤坂の商店会(エスプラナード赤坂)が主催し、赤坂に所縁のあるミュージシャンで組んだ赤坂オールスターズが昼・夜と2回公演する。
私はいつも14時スタートの昼の部を聴くのだが‥この昼下がり、心地よいスイングを聴いてホール(赤坂区民センター)を出ると、目の前の東宮御所の木々の濃い緑が、もう夏の勢いは失せたとはいえまだ汗を呼ぶ黄昏直前の日の光に輝いているのを眺めるのはいいもんだ。
もう15回(年)にもなるという。私が聴くようになってからは10年くらいだろうか。
赤坂オールスターズもつい3年ほど前までは、御大秋満義孝(pf)をはじめ、花岡詠二(cla)、松崎龍生(vib)、根市タカオ(b)、八城邦義(dr)と鈴木史子(vo)に、一時期野村佳乃子(vo)も加わっていた。
松崎龍生が体調を崩して抜けてからは、青木 研(bnj)や佐久間 和(gui)などが代わる代わる加わっている。
今年はアコースティック・ギターの佐久間 和だった。
(いいなあ‥)
オープニングの「Shine」(シャイン)が始まった時、思わず顔がほころびそうになった。
この時期の昼下がりのコンサートはこうでなくっちゃ。花岡詠二のクラリネットがいい音をしている。
二曲目が「New Orleans」(ニューオルリンズ)。スターダストでお馴染みのホーギー・カーマイケルのやはり名曲である。
このコンサートの選曲はいつもきっと御大秋満義孝に違いない。まさに酸いも甘いもかみ分けた、人を楽しませる急所を握っている。この時期、この時間でのコンサートということを考慮して、どうということはないように思えるが後の曲並びをみても、なかなかこういくものじゃない。感心する。
ちなみに夜のプログラムと同じ曲は2曲だけである。
こういう呼吸は、プログラムを組む時の参考にさせてもらおうと思う。
フューチャーリングで興味深かったのは、まずは第2部の頭の秋満義孝の「Miami Beach Rumba」(マイアミ・ビーチ・ルンバ)。
こういうのはもはやこの人についていかないと聴かれない。シャンペン・ミュージックだの、軽音楽だの‥ほとほと、いいなあ‥
つづいて佐久間 和のギターをフューチャーした「Somebody Loves Me」。
御大も言っていたが、「こんなの今や聴かれない‥」。
先月久し振りに,、西荻の「ミントンハウス」で聴いた鈴木直樹とのデュオ・ライブでの、ギター1本だけの「Georgia On My Mind」も良かったが、ベテランのバック(秋満義孝、根市タカオ、八城邦義)に支えられた「Somebody Loves Me」は粋でことのほか良かった。
そしてベテランの根市タカオの「 Softly As In A Morning Sunrise」。
渋い音でよく歌う彼のベースでのこのナンバーは今までにも何回か聴いたが、いつ聴いても楽しい。ホントよく歌うベースである。
さらに第1部のラストのドラムスの八城邦義をフューチャーした、カウント・ベーシーの「Cute」。
軽快なブラッシュ・ワークとユーモアのあるドラムスは、いかにも八城邦義で楽しい。
以前にはいろいろと一緒させてもらい、この日会場でも少し話をしてまた何かしようよという話になった。是非やってみたい。
今回のこのコンサートでの目ッけモンはラストの、秋満義孝アレンジによる「Dark Eyes」(黒い瞳)である。
この手の曲は、メモですぐできてしまうからどこで聴いてもあまり代わり映えがしないのだが、ちゃんと手を入れて、しかも天下の秋満義孝がアレンジをしての上である。
エンディングにふさわしい楽しい演奏だった。
16時。会場を出ると、夏の名残の太陽が照り、東宮御所の緑の陰が黒々としていた。
いつも私が企てるライブにも欠かさず来て下さる、プレイヤーにもお客さんにも良く知られる年配の女性と顔を合わせた。(お名前は秘すが)
足がよくないので手をとって、赤坂見附駅まで30分近くかけて歩いた。いや、話をしていただいた、と言ったほうが正しい。
この日のコンサートの一番の収穫は、実はこの女性とのお話だったような気がする。
私が好みで行くライブやコンサートには大抵いらっしゃる。
いつもは挨拶をして二言三言言葉を交わすだけだったのだが、この日初めて30分余とはいえお話をさせていただいた。
面白かった。ジャズファンとして、プロデュースの真似事をさせていただいてる者として、大いに参考になった。これから役立たせてもらおうと思う。
秋告げコンサート、実にいいコンサートだった。
家に帰ってからしばらくして、かの女性から━
「無事、家に着きました。ありがとうございました。」と電話があった。
何だかニコニコしてしまう、秋の始まりだった。
第15回 「エスプラナード赤坂 オータムコンサート」
メンバー
秋満義孝(ピアノ)
根市タカオ(ベース)
花岡詠二(クラリネット、カーブド・ソプラノ・サックス)
八城邦義(ドラムス)
佐久間 和(ギター)
鈴木史子(ヴォーカル)
演奏曲目(昼の部)
第1部
Shine
New Orleans
My Melancholy Baby
Who’s Sorry Now
Poor Butterfly (vo)
S’ Wonderful (vo)
Too Young━Pretend (vo)
Cute
第2部
Miami Beach Rumba
Somebody Loves Me
Softly As In A Morning Sunrise
Take The “A” Train (vo)
Manhattan (vo)
Out Of Nowhere (vo)
Dark Eyes
(encore)
On The Sunny Side Of The Street
※敬称は略させていただいています。
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