遠くを聴く‥
これもきっと歳のなせる業、とでもいうのだろうか。
大好きな音楽の、ジャズの聴き方というか、接し方が変わってきた。
つい何年か前までは、好きで好きでしょうがない、という聴き方をしていた。
だからライブでもコンサートでも、あの人の演奏を、あのメンバー編成の演奏を聴きに行く、という意識で出かけていたようだ。
ところが最近ふと、何か気分が違うことに気が付いた。あのライブを聴かなくてはとか、聴いておこう、などという前のめりの気分がないのである。
とはいえ今までのようにライブやコンサートにはやはり顔を出すのだが、気分的にはあの演奏の聴けるところへ行こう、なのである。
この微妙な違いがお分かりいただけるかいささか疑問だが…だから歳のなせる業としかいいようがないのだが━
ただいえることは、好きで好きでいた時より、気分は穏やかだが積極的に聴きにいったり、音源を求めたりしていることは確かである。
そして生演奏にしてもCDにしても、楽しむ術をやっと知ったような気がするのである。
遅い。そう相当な晩生なのである。だから改めて聴きなおしたり、味わったり、いろいろと楽しみの挑戦をしてみたいのである。
幸いにして回りに素晴らしいミュージシャンがたくさんいる。
その一人一人を思い浮かべながら、我が楽しみを極めてみたいと思う今日この頃なのである。
3月10日。「花岡詠二プレゼンツ“第12回ジミー時田メモリアル『ヘンリー矢板ディキシーブルースを歌う』”」

今年はいつになくこの日が楽しみだった。
というのは、前述のようにこのところジャズへの接し方が変わると同時に、ニューオーリンズ・スタイルに一層魅かれるようになってきたのである。
50年ほど前、水道橋の神田川の辺の今は無き「Swing」へ通い詰め、一人何時間も聴いていたそのわけが、今分かってきたような気がするのである。
(今頃分かってきた、というのはどういうことであるか、自分でも分からない。遅い。やはり遅い。)
が、我が身の晩生への総括はまた別の機会にして、3月10日のカントリー・コンサートがいかに楽しみだったかというと━
私は取り立ててカントリーが好きではなかった。というより関心も無かった。
12年前、ジミー時田が亡くなって(2000年3月10日)、翌年からクラリネットの花岡詠二が前述表題のようなコンサートを始めた。
もともとカントリーに興味は無かったが、花岡詠二がディキシー・グループとカントリー・グループを合わせてのコンサートというのにそそられて出かけた。
これがとてつもなく面白かった。
アメリカの移民の歴史、音楽の歴史、ブルースやジャズとの接点、それにともなう広がる音楽地図…
ニューオーリンズと違う土の匂いを、懐かしさを知った。
自らジミー時田の追っかけといい、親しくお付き合いし心酔している花岡節を12年も聞かされていると、ジミー時田をそれほどは知らなくともカントリーのファンの隅っこにすっかりぶら下がってしまった。
何よりも、ヘンリー矢板の歌に参ってしまった。

そんなカントリーからの12年間の刺激もあったのだろうか、ここへきて私のジャズへの接し方が変わり、ニューオーリンズ・スタイルに一層魅かれるようになったのは━
こんな言い方は無いだろうが、ニューオールリンズ・ジャズもカントリーも、スローフードならぬアメリカ南部のスローミュージック的魅力なのかもしれない。
そんなこんなで、今年の「花岡詠二プレゼンツ“第12回ジミー時田メモリアル『ヘンリー焼いたディキシーブルースを歌う』”」は、いつになく味わいながら聴いた。
それにしてもいつもながら思うことだが、これだけのメンバーでのコンサートがよくぞできるものだと、感心してしまう。
まずそのメンバーをご紹介すると━
ヴォーカル ヘンリー矢板・ゲスト吉沢 紀子
F.E.ウェスターナーズ
スチール・ギター 大江 俊幸
リード・ギター 北農 英則
フィドル 高野 秀臣
ベース 小宮山 隆
ドラム 野呂 尚史
花岡詠二ディキシーランプラーズ
クラリネット、サックス&ピアノ 花岡 詠二
トランペット 下間 哲
トロンボーン 苅込 博之
ギター 佐久間 和
バンジョー 青木 研
ベース 加藤 人
ドラムス 楠堂 浩己
第1部
Your Cheatin’ Heart
Lonsome Whistle
Columbus Stockade Blues
Send Me The Pillow That You Dream On
He’ll Have To Go
Under The Double Eagle
The End Of The World
It’s A Long Way To Tipperary
Seven Lonely Days
Carry Me Back To The Lone Prairie
Vaya Con Dions
Mind You Own Business
第2部
Goody Goody
Where The Boys Are
Laid Back’n Low Key
The Dance
How ‘Bout Them Cowgirls
Dueling Banjos
She’s Gone Gone Gone
Peach Picking Time Down In Georgia
Orange Blossome Special
I’m So Lonsome I Could Cly
Mississippi Delta Blues
That’s A Plenty
Country Roads
終始懐かしさに包まれていた。
それにしてもヘンリー矢板の歌はいい…

ところでニューオーリンズ・スタイルで最近頓に聞き耳を立てているのが「Delta4」(クラリネット後藤雅広、ピアノ後藤千香、バンジョー青木 研、ベース小林真人)。
とはいうものの、彼ら一人一人の、あるいはほかの編成での演奏はよく知っているが、「Delta4」としての生の演奏はお恥ずかしい話だが聴いたことがない。CDだけである。
この2~3日中には聴けるから、楽しみだ。「Delta4」については、また改めてご紹介したいと思う。
どうやら最近、少し引いて聴くことを知ったのかもしれない。そう、遠くを聴くとでもいおうか…楽しみが益々増えそうだ。
※文中、敬称を略させていただいています。
※第12回ジミー時田メモリアルの写真は友人よりの提供によるもの。
大好きな音楽の、ジャズの聴き方というか、接し方が変わってきた。
つい何年か前までは、好きで好きでしょうがない、という聴き方をしていた。
だからライブでもコンサートでも、あの人の演奏を、あのメンバー編成の演奏を聴きに行く、という意識で出かけていたようだ。
ところが最近ふと、何か気分が違うことに気が付いた。あのライブを聴かなくてはとか、聴いておこう、などという前のめりの気分がないのである。
とはいえ今までのようにライブやコンサートにはやはり顔を出すのだが、気分的にはあの演奏の聴けるところへ行こう、なのである。
この微妙な違いがお分かりいただけるかいささか疑問だが…だから歳のなせる業としかいいようがないのだが━
ただいえることは、好きで好きでいた時より、気分は穏やかだが積極的に聴きにいったり、音源を求めたりしていることは確かである。
そして生演奏にしてもCDにしても、楽しむ術をやっと知ったような気がするのである。
遅い。そう相当な晩生なのである。だから改めて聴きなおしたり、味わったり、いろいろと楽しみの挑戦をしてみたいのである。
幸いにして回りに素晴らしいミュージシャンがたくさんいる。
その一人一人を思い浮かべながら、我が楽しみを極めてみたいと思う今日この頃なのである。
3月10日。「花岡詠二プレゼンツ“第12回ジミー時田メモリアル『ヘンリー矢板ディキシーブルースを歌う』”」

今年はいつになくこの日が楽しみだった。
というのは、前述のようにこのところジャズへの接し方が変わると同時に、ニューオーリンズ・スタイルに一層魅かれるようになってきたのである。
50年ほど前、水道橋の神田川の辺の今は無き「Swing」へ通い詰め、一人何時間も聴いていたそのわけが、今分かってきたような気がするのである。
(今頃分かってきた、というのはどういうことであるか、自分でも分からない。遅い。やはり遅い。)
が、我が身の晩生への総括はまた別の機会にして、3月10日のカントリー・コンサートがいかに楽しみだったかというと━
私は取り立ててカントリーが好きではなかった。というより関心も無かった。
12年前、ジミー時田が亡くなって(2000年3月10日)、翌年からクラリネットの花岡詠二が前述表題のようなコンサートを始めた。
もともとカントリーに興味は無かったが、花岡詠二がディキシー・グループとカントリー・グループを合わせてのコンサートというのにそそられて出かけた。
これがとてつもなく面白かった。
アメリカの移民の歴史、音楽の歴史、ブルースやジャズとの接点、それにともなう広がる音楽地図…
ニューオーリンズと違う土の匂いを、懐かしさを知った。
自らジミー時田の追っかけといい、親しくお付き合いし心酔している花岡節を12年も聞かされていると、ジミー時田をそれほどは知らなくともカントリーのファンの隅っこにすっかりぶら下がってしまった。
何よりも、ヘンリー矢板の歌に参ってしまった。

そんなカントリーからの12年間の刺激もあったのだろうか、ここへきて私のジャズへの接し方が変わり、ニューオーリンズ・スタイルに一層魅かれるようになったのは━
こんな言い方は無いだろうが、ニューオールリンズ・ジャズもカントリーも、スローフードならぬアメリカ南部のスローミュージック的魅力なのかもしれない。
そんなこんなで、今年の「花岡詠二プレゼンツ“第12回ジミー時田メモリアル『ヘンリー焼いたディキシーブルースを歌う』”」は、いつになく味わいながら聴いた。
それにしてもいつもながら思うことだが、これだけのメンバーでのコンサートがよくぞできるものだと、感心してしまう。
まずそのメンバーをご紹介すると━
ヴォーカル ヘンリー矢板・ゲスト吉沢 紀子
F.E.ウェスターナーズ
スチール・ギター 大江 俊幸
リード・ギター 北農 英則
フィドル 高野 秀臣
ベース 小宮山 隆
ドラム 野呂 尚史
花岡詠二ディキシーランプラーズ
クラリネット、サックス&ピアノ 花岡 詠二
トランペット 下間 哲
トロンボーン 苅込 博之
ギター 佐久間 和
バンジョー 青木 研
ベース 加藤 人
ドラムス 楠堂 浩己
第1部
Your Cheatin’ Heart
Lonsome Whistle
Columbus Stockade Blues
Send Me The Pillow That You Dream On
He’ll Have To Go
Under The Double Eagle
The End Of The World
It’s A Long Way To Tipperary
Seven Lonely Days
Carry Me Back To The Lone Prairie
Vaya Con Dions
Mind You Own Business
第2部
Goody Goody
Where The Boys Are
Laid Back’n Low Key
The Dance
How ‘Bout Them Cowgirls
Dueling Banjos
She’s Gone Gone Gone
Peach Picking Time Down In Georgia
Orange Blossome Special
I’m So Lonsome I Could Cly
Mississippi Delta Blues
That’s A Plenty
Country Roads
終始懐かしさに包まれていた。
それにしてもヘンリー矢板の歌はいい…

ところでニューオーリンズ・スタイルで最近頓に聞き耳を立てているのが「Delta4」(クラリネット後藤雅広、ピアノ後藤千香、バンジョー青木 研、ベース小林真人)。
とはいうものの、彼ら一人一人の、あるいはほかの編成での演奏はよく知っているが、「Delta4」としての生の演奏はお恥ずかしい話だが聴いたことがない。CDだけである。
この2~3日中には聴けるから、楽しみだ。「Delta4」については、また改めてご紹介したいと思う。
どうやら最近、少し引いて聴くことを知ったのかもしれない。そう、遠くを聴くとでもいおうか…楽しみが益々増えそうだ。
※文中、敬称を略させていただいています。
※第12回ジミー時田メモリアルの写真は友人よりの提供によるもの。
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