小さな花、み~つけた!
永年、折を見ては「小さな花」を探していた。それを1ヶ月ほど前に、偶然見つけた。
「小さな花」というのはご存知のようにシドニー・べシェ作曲の「Petite Fleur」のことで、探していたと言うのは1959年に日本でヒットした時の、ボブ・クロスビーとボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーによる演奏を聴きたかったのだ。
このボブ・クロスビー(ビング・クロスビーの弟)とボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「Petite Fleur」は、鈴木章治とリズムエース+ピーナッツ・ハッコーの「鈴懸の径」(1957年)同様、私がスイングに目覚め夢中になっていく、きっかけになった曲の一つである。(「かくも遠き、鈴懸の径」)
本気で執念をもって探せばそんなに苦労することなく見つけて聴くことはできただろうに。ましてや昨今のネット時代である。検索すれば幾らでも情報は手に入る。
その通りで、10月のある日他の情報探しをしていたところ、あるブログの概要書きの中にボブ・キャッツとピーナッツ・ハッコー、それに「小さな花」の単語を見つけて、早速そのブログ「わさび田のパパゲーノ」を訪ねてみた。
あった。鈴木章治とリズムエース+ピーナッツ・ハッコーの「鈴懸の径」2枚とボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」のYouTubeリンクが貼り付けてあった。
早速クリックしてみると‥これこれ、この演奏だ!恋焦がれた「小さな花」がそこに咲いていた。
意外と臭い演奏でちょっとびっくりした。やはり時代と言うか、あれから50年も経ち、その間いろいろな人の「小さな花」を、洗練された演奏を聴いてきていたから頭の中がそうなっていたのか、結構泥臭く感じた。
が、紛れもなくあの少年の日、ドキドキしながら繰返し聴いた「小さな花」だった。
「小さな花」と言えば、同時に想い出すのはやはりザ・ピーナッツのデビュー曲「可愛い花」(1959年4月)である。
故宮川 泰の編曲で、元の「小さな花」に並ぶ名曲だろう。またこの時のバックでの演奏が渡辺 晋とシックス・ジョーズであり、裏面の曲が「ザ・ピーナッツ・ベンダー」(南京豆売り)だった。今思えば役者がみんな揃っていたようだ。
私が聴いたのは、と言うより日本で発売されたのはボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」が先なのか、ザ・ピーナッツの「可愛い花」が先なのかは定かではないが‥私の記憶ではザ・ピーナッツの「可愛い花」を初めて聴いた時、あっ!あの曲だ!と思った記憶があるから、多分「小さな花」の方が先だろう。
と言うことは、作曲者のシドニー・べシェがこの曲をレコーディングして売り出したのが1959年6月(フランス)だそうだから、ボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」もザ・ピーナッツの「可愛い花」も、日本ではそれより早くヒットしたことになる。
もう一つ、この「小さな花」はイギリスのトラッドなクリス・バーバー(トロンボーン)バンドの演奏でも知られているが(クラリネット モンティ・サンシャイン)、それもほぼ同時期に出ており、この半年ぐらいの間に世界中でずい分と「小さな花」が咲いたことになる。
ちなみにシドニー・べシェがこの曲を書いたのは1952年で、1950年に2度目にフランスへ渡った時、若いフランス女性と結婚しその女性のために書いた曲だという。

この稿を書くにあたって改めてボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」を聴こうと思いYouTubeへアクセスすると、著作権侵害にあたるとかで削除されていた。
残念である。が、実はこの「小さな花」のきっかけを作ってくれた前述のブログ「わさび田のパパゲーノ」氏は、偶然だが私の郷里に住む方だった。
で、この「わさび田のパパゲーノ」氏はアナログ専門オーディオ・レコード店を営み、モーツアルトの大ファンという。
が、モーツアルトに限らず’50年代から’60年代のポップス、歌謡曲、演歌、ジャズに詳しく、そのブログからYouTubeに繋げて、当時の音楽を中心に世情を踏まえて時代を彷彿とさせ、大いに楽しませてくれる。
当時青春時代真っ盛りだった私には、また当時の興味深い諸々も単に記憶の中に留めるにしか能が無い私には、大変有難く貴重なブログである。
その後「わさび田のパパゲーノ」氏に連絡をとらせていただき、探し続けた「小さな花」(ボブ・クロスビーとボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコー)も、アメリカDOT原盤で聴かせて頂けるという。
帰省した折には必ずお尋ねしたいと思っている。
興味のある方は、「わさび田のパパゲーノ」を訪れてみるといい。
クラリネットの花岡詠二は私と世代も同じせいか同じような思いで、またクラリネットを手にするきっかけになった曲ともおっしゃっており、レコーディングもされており、ライブでもよく聴かせてくれる。
鈴木直樹は若いからそんな思いはないだろうが、手ごろな名曲とでもいうのだろうか、ライブでは良く演奏する。時々、カーブド・ソプラノ・サックスでも聴かせてくれるが、これがまた何とも言えずいい。
ただ鈴木直樹の「小さな花」では、ある時から一箇所繰返しをはしょってメロディーを変えて演奏するが、あそこはオリジナル通りにやった方がよいように思うがいかがだろう。(お聴きになったことのない方には何のことやら分からないだろうが、悪しからず━)
いかにもグッドマンらしい「小さな花」、あるいはトランペットのバック・クレイトンの「小さな花」など、さまざまな「小さな花」を愛でるのは楽しいものだ。
もっともっといろいろな「小さな花」に会いたいものである。
※敬称を略させていただいています。
「小さな花」というのはご存知のようにシドニー・べシェ作曲の「Petite Fleur」のことで、探していたと言うのは1959年に日本でヒットした時の、ボブ・クロスビーとボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーによる演奏を聴きたかったのだ。
このボブ・クロスビー(ビング・クロスビーの弟)とボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「Petite Fleur」は、鈴木章治とリズムエース+ピーナッツ・ハッコーの「鈴懸の径」(1957年)同様、私がスイングに目覚め夢中になっていく、きっかけになった曲の一つである。(「かくも遠き、鈴懸の径」)
本気で執念をもって探せばそんなに苦労することなく見つけて聴くことはできただろうに。ましてや昨今のネット時代である。検索すれば幾らでも情報は手に入る。
その通りで、10月のある日他の情報探しをしていたところ、あるブログの概要書きの中にボブ・キャッツとピーナッツ・ハッコー、それに「小さな花」の単語を見つけて、早速そのブログ「わさび田のパパゲーノ」を訪ねてみた。
あった。鈴木章治とリズムエース+ピーナッツ・ハッコーの「鈴懸の径」2枚とボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」のYouTubeリンクが貼り付けてあった。
早速クリックしてみると‥これこれ、この演奏だ!恋焦がれた「小さな花」がそこに咲いていた。
意外と臭い演奏でちょっとびっくりした。やはり時代と言うか、あれから50年も経ち、その間いろいろな人の「小さな花」を、洗練された演奏を聴いてきていたから頭の中がそうなっていたのか、結構泥臭く感じた。
が、紛れもなくあの少年の日、ドキドキしながら繰返し聴いた「小さな花」だった。
「小さな花」と言えば、同時に想い出すのはやはりザ・ピーナッツのデビュー曲「可愛い花」(1959年4月)である。
故宮川 泰の編曲で、元の「小さな花」に並ぶ名曲だろう。またこの時のバックでの演奏が渡辺 晋とシックス・ジョーズであり、裏面の曲が「ザ・ピーナッツ・ベンダー」(南京豆売り)だった。今思えば役者がみんな揃っていたようだ。
私が聴いたのは、と言うより日本で発売されたのはボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」が先なのか、ザ・ピーナッツの「可愛い花」が先なのかは定かではないが‥私の記憶ではザ・ピーナッツの「可愛い花」を初めて聴いた時、あっ!あの曲だ!と思った記憶があるから、多分「小さな花」の方が先だろう。
と言うことは、作曲者のシドニー・べシェがこの曲をレコーディングして売り出したのが1959年6月(フランス)だそうだから、ボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」もザ・ピーナッツの「可愛い花」も、日本ではそれより早くヒットしたことになる。
もう一つ、この「小さな花」はイギリスのトラッドなクリス・バーバー(トロンボーン)バンドの演奏でも知られているが(クラリネット モンティ・サンシャイン)、それもほぼ同時期に出ており、この半年ぐらいの間に世界中でずい分と「小さな花」が咲いたことになる。
ちなみにシドニー・べシェがこの曲を書いたのは1952年で、1950年に2度目にフランスへ渡った時、若いフランス女性と結婚しその女性のために書いた曲だという。

この稿を書くにあたって改めてボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコーの「小さな花」を聴こうと思いYouTubeへアクセスすると、著作権侵害にあたるとかで削除されていた。
残念である。が、実はこの「小さな花」のきっかけを作ってくれた前述のブログ「わさび田のパパゲーノ」氏は、偶然だが私の郷里に住む方だった。
で、この「わさび田のパパゲーノ」氏はアナログ専門オーディオ・レコード店を営み、モーツアルトの大ファンという。
が、モーツアルトに限らず’50年代から’60年代のポップス、歌謡曲、演歌、ジャズに詳しく、そのブログからYouTubeに繋げて、当時の音楽を中心に世情を踏まえて時代を彷彿とさせ、大いに楽しませてくれる。
当時青春時代真っ盛りだった私には、また当時の興味深い諸々も単に記憶の中に留めるにしか能が無い私には、大変有難く貴重なブログである。
その後「わさび田のパパゲーノ」氏に連絡をとらせていただき、探し続けた「小さな花」(ボブ・クロスビーとボブ・キャッツ+ピーナッツ・ハッコー)も、アメリカDOT原盤で聴かせて頂けるという。
帰省した折には必ずお尋ねしたいと思っている。
興味のある方は、「わさび田のパパゲーノ」を訪れてみるといい。
クラリネットの花岡詠二は私と世代も同じせいか同じような思いで、またクラリネットを手にするきっかけになった曲ともおっしゃっており、レコーディングもされており、ライブでもよく聴かせてくれる。
鈴木直樹は若いからそんな思いはないだろうが、手ごろな名曲とでもいうのだろうか、ライブでは良く演奏する。時々、カーブド・ソプラノ・サックスでも聴かせてくれるが、これがまた何とも言えずいい。
ただ鈴木直樹の「小さな花」では、ある時から一箇所繰返しをはしょってメロディーを変えて演奏するが、あそこはオリジナル通りにやった方がよいように思うがいかがだろう。(お聴きになったことのない方には何のことやら分からないだろうが、悪しからず━)
いかにもグッドマンらしい「小さな花」、あるいはトランペットのバック・クレイトンの「小さな花」など、さまざまな「小さな花」を愛でるのは楽しいものだ。
もっともっといろいろな「小さな花」に会いたいものである。
※敬称を略させていただいています。
| スイング・ジャズ | 11:23 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
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| | 2012/11/10 15:58 | |